
「”企業カルチャー醸成の器”としてのオフィス空間を目指して」
社員のため、会社の未来のためにオフィスを移転しました。自己資本で経営している私にとって決して軽い決断ではありません。納得のいく移転先に出会うまでに2年もの時間をかけ、多くの物件を見て回りました。そして、ようやく「ここだ」と思える物件に出会った瞬間、わずか10分で決断しました。
それは海抜の高い明るい土地に立つ歴史ある由緒正しいビルです。ここまでこだわったのは、「空間」が人と組織に与える影響を信じていたからです。そして、身銭を切って実際に大きな投資をしたからこそ、見えてきたことがあります。
実体験から見えた、オフィス空間の本質
空間づくりで最も大切なのは、オシャレな家具や最新のデバイスや機器ではありません。
本当に大切なのは、「そこで働く人がイキイキと、楽しく、やりがいを持って働けるかどうか」。家具やテクノロジーはこれを実現するための“ツール”です。大事なのは、人が心地よく過ごせるレイアウト、自然に会話や共創が生まれる空間です。
また、私たちやお客様は「東京という賃料が世界屈指に高いエリア」でオフィスを構えています。だからこそ「心地よく、機能的で、無駄のないレイアウト」が不可欠です。1平米たりとも無駄にしたくない――その強い思いが、空間デザインの精度と質を高めました。
実際に移転してから、オフィスの空気は目に見えて変わりました。
- 社員の表情が明るくなり、雰囲気が活気づいた
- オフィスの至るところで自然な会話が生まれ、コミュニケーションが活性化した
- 意見やアイデアをぶつけ合う議論が増え、チームの思考が深まった
- 定期的な報告会や振り返りの文化が自然と根づいてきた
- 並んで座っての共同作業が増え、協働のスピードが上がった
- 大阪の拠点とも、最新デバイスを通じてリアルタイムでつながれるようになった
- コーヒーを待つわずかな時間の雑談が人と人を繋いでいる
この経験から私が確信しているのは、「空間」は単なる箱ではなく、人と組織を変える“企業カルチャー醸成の器”だということです。私たちが本当にデザインしているのは、見た目にオシャレな空間そのものではありません。その中で生まれる人間関係、働く人の成長、組織の進化、そして社会とのつながり――それらを支える「場」をつくることが、私たちの使命です。


